目の前の顧客と顔の見えない無数の投資家 どちらを守るべきか
皆さん、こんばんは!藤原育也です。
ずっと監査のお話しをしております。
監査法人は会社が作った財務諸表が実態を正しく表しているかを判断します。
ただ、サービスを提供している手前、お金をもらっているのでその辺がYUCHAKUっぽくならないように客観、冷静沈着なProfessionalなMindが必要になります。
合っているが間違っているかを判断するということは、やはり気持ちとしては性悪説で行かなければいけないですよね。
特に監査担当がそのクライアントと仲良くなりすぎると、良くない。
ある上場会社が財務諸表を出しました。
それを監査していて、あれ、、、おかしいんじゃないか、と思って、過去の分も調べたら数年前から粉飾が行われているかもしれないことが発覚。
そうなったときはやはり、悪いものは悪い!と言うべきですが、そこで、その財務諸表を認めない!という判断をすると
会社の信頼は丸下がり、株価急落、リストラ、最悪倒産、、市場自体の存続も危ぶまれます。
リストラされた従業員、その家族、株式で大損こいた株主の中には自殺者も出るかもしれません。
目の前にはお金を払ってくれているクライアント。
ここで、見て見ぬふりをして承認すれば、(短期的には)何事もなく、だれも傷つくことなく、終わる。。。
ただ、それは将来的に顔の見えない多くの投資家を売裏切ることになる。。。
本当に難しい仕事だと思います。
粉飾決算は経営層の指示によるもので、一般の従業員はその存在すら知らないケースも多い。
そのなんの罪もない従業員の暮らしをも左右する決断となります。
仕事をする上で信頼関係は非常に大切なことですが、信頼しすぎて相手のことを盲信、うのみにしてしまうのは監査法人としては0点です。
ある意味、冷酷非道に事実に基づいて、目の前にいる経営者の為でなく、顔の見えない多くの投資家の保護のために監査法人は働くのです。
実際、私も営業時代に販売させて頂いている食品原料の工場に対して、お客様からのSDGs的な監査が入ったことがあります。
そのお客様は世界的に有名な飲料メーカーですが、当時(2015年位?)から、環境、人権等の取組が進んでいました。
その工場監査に私も同道したのですが、監査の方はお弁当はおろか、お茶も貰わない。私は仕事の話等雑談でもしようかなと思いましたが、終始Coolな感じで帰っていきました。
その後、CPAを勉強して、あのCoolさの意味が分かりました。
一定の距離を取っていないと、冷静な判断が出来ない、そして正しく決断が出来ないということですね。
私には、出来ない仕事だなぁと思いました笑
とはいいつつ、CIAも挑戦してみようと思ってます。
心を鬼にして!!!いいものはいい!わるいものはわるい!と言える人間でありたいですね。
では!!!
監査の話、続けていきましょう!