会計素人がUSCPAになって感じたこと。

学生時代意識低め、英語普通、営業一本で会計素人のサラリーマンがひょんなことからUSCPAの受験を決意。1年半で合格しましたが、学習を通じて感じたことを誰でもわかるように、平易な言葉で書き残したいと思います。というのは後付けで本当は自分の為の備忘録(笑)

結局、監査とは4つ(○、△、×、No comment)のうちから一つ選んで意見言うだけの仕事

みなさん、こんにちは!ワシントン州公認会計士の藤原育也です。←冒頭の挨拶を少し変えました笑

 

最近はずっと監査のお話しをさせて頂いております。

監査とは何なのか、何のために必要なのか、具体的な事件(エンロン事件、ワールドコム事件)も紹介しながら米国でのSOX法の制定、それを受けた日本での投資家保護の動きの加速(J-SOX法)までお話ししました。

 

今回は今までのふわっとした概念(ストーリー)から飛び出して、

では、実際にUSCPAのAUDITの教科では何を勉強するのかについてお話したいと思います。

 

実際のテキスト内容はもっと多岐に亘っているのですが、簡単にまとめるとこんな感じでしょうか。

  1. Important Concepts in Financial Statements Audits
  2. Audit Reporting
  3. Internal Control
  4. Substantive Tests
  5. Other Audit Procedures
  6. Attestation
  7. Sampling

 

これだけ見ると意味ぷーの方も多いと思うので、一つずつ、中学生でもわかる言葉で説明してみようと思います!

 

  1. Important Concepts in Financial Statements Audits

まずは一つ目、「日本語だと財務諸表監査に於ける重要な概念」ですね。

監査というのは、あるモノが正しい方法で実態を正しく表しているかどうかに対して、意見を表明する(正確に言うと、不正や誤謬による重要な虚偽表示がないことの合理的保証を獲得する)ことです。

もう少し丁寧に言うと、適切な会計上のルールに則っているかどうかを判断するということですね。

なぜ、ここを強調するかというと、国によって、時代によって会計のルールは違うんですね。USCPAアメリカの公認会計士なので、アメリカの会計ルールに則ります。

これをUS-GAAP、United States Generally Accepted Accounting Principleと言います。

会社が自力で作成した財務諸表がUS-GAAPに基づいているかどうかを判断するということですね。

 

前の記事にも書きましたが、監査の対象は何も財務諸表だけではありません。

内部統制がしっかりと整備、運用されているかをチェックする内部統制監査というのもあります。他にはIT監査、環境監査等色々あります。

ただ、一般には財務諸表監査がメイン、次に出てくるのが内部統制監査です。

投資家保護という観点でも財務諸表が一番大切です。

内部統制も最終的にはその良し悪しが財務諸表に現れると考えられますからね。

勉強中は財務諸表監査をFSA(Financial Statement Audit)、内部統制監査をICA(Internal Control Audit)と書いてました。

んで、この一発目はFSAの考え方に就いて勉強します。

めっちゃ簡単に言うと、企業の財務諸表を色々根拠とか調べまくって、内容に就いて○、△、×、ノーコメントのどれかを表明するということです。この意見をOpinionと呼びます。

財務諸表(打つのめんどいので今後がFinancial Statementの頭文字をとってFSと言います。)が全体的に問題なさげであれば○!

一部おかしいところあるけど、大勢には影響はない感じであれば△、内容間違いが多くこれは信じちゃいけません!って感じであれば×

そもそも情報を集めきれなくて判断できませんでした、、って場合はノーコメントを貫きます。

 

○はUnmodified opinionと言います。

Modifyする必要がないということで、日本語では無修正意見と言います。

ちなみに無修正と言う言葉はビデオ用語以外で初めて聞きました笑

この会社が作った財務諸表はUS-GAAPに基づいてますよ、安心して投資の意思決定にご活用ください!というものです。

 

△、×、ノーコメントは合わせてModified opinion(修正付き意見)と言います。

△はQualified opinion:限定意見と言います。

何を限定するかというと、財務諸表の中の一部の限定された項目を除き、US-GAAPに準拠してますよということで、信頼出来ない部分が限定的ですよ。と言うことです。

×はAdverse opinion:不適正意見と言います。

簡単に言うと、「だめだこりゃ」という感じ。US-GAAPに則って、実態を正しく反映していません、ということ。監査法人は「この財務諸表は信頼するな」と言うことですね。

ノーコメントはDisclaimer of opinion:意見差し控えと言います。

監査をするには膨大な量の資料や証拠を企業に出してもらわないといけません。監査する側としてYes/Noを判断するに十分な資料が提出されなかった場合です。

参考資料が不足している為、YesともNoとも言い切れない。だから、ノーコメントを貫くということですね。

 

ちょっと難しい言葉が出てきたので、今日はこの辺にしましょう!

 

財務諸表監査とは企業が自力で作成した財務諸表がUS-GAAPに則っているかどうか

○、△、×、ノーコメントの4種類のうちの一つ、意見を出すということでした。

 

なんとなく、監査の概要がつかめてきませんか?

引き続き、一緒にがんばりましょう!

 

では!

 

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監査のイメージ 重要性(Materiality)の話はまた今度