監査リスクはカイジ沼篇の三段クルーンで理解せよ! ~後編~
みなさん、こんにちは!
前回までは、IR、CR、DRをそれぞれ穴の大きさ、そしてカイジ沼篇の三段クルーンに例えて、Risk of Material MisstatementはIR×CRとなるということをお話ししました。
ちなみに、またまた大事なことを申し上げますが、監査人はAudit Riskをゼロにすることはできません。
なぜなら、監査では対象企業の一年間(或いはそれ以上の期間)のありとあらゆる全てのTransactionを精査することは不可能だからです。
テキストには
「財務諸表監査に於いて、全ての項目を精査によって監査し、不正や誤謬に対処することは事実上不可能」と書いてあります。
そりゃそうですよ。
企業は日々何百、何千という取引をしているんです。
全部チェックしようとすると日が暮れます。というか、季節が変わります、場合によっては歳が暮れます。
なので、サンプリングしてチェックするんですね。
このサンプリングもめちゃくちゃ奥が深くて、難しいところ。
監査とサンプリング、一見関係なさそうですが、密接な関係にあります。後日、話します。
さて、お話ししたかったのは、Audit Riskはゼロには出来ないという話。
なので、AuditorはこのAudit Riskを出来るだけ少なくするようにします。
一般的にAudit Riskは5%程度と言われております。
100回やって、5回ミスるくらいいいでしょう。と。
勘の良い方であれば、気づいてくると思います。
IR×CR×DR=ARという等式に於いて、
IR×CR、即ちRMMはEvaluate(評価)することで、どれだけかわかります。
前回の記事通り、IRは50%、CRは20%としましょう、ということはRMM(Risk of Material Misstatement/監査される前の財務諸表にミスが載っちゃう可能性)は10%(50%×20%)ですね。
んで、ARは5%未満にしなきゃいけないという話です。
10%×DR<5%という不等式が成り立ちます。
従って、DRは50%より小さくないといけないですね。
例えば、IRが80%、CRが80%だった時はどうでしょう。
64%×DR<5%なのでDRは約8%に抑えなければいけません。
ここで三段クルーンで考えても良くわかります。
最終的に一番下の穴に落ちても良いタマの個数(上限)が決まっている場合、
第一の穴(一番上)と第二の穴(真ん中)の穴が大きければ、第三の穴(一番下)の穴の大きさはめっちゃ小さくしますよね。
逆に第一、第二の穴がかなり小さい、即ち、一番下のフィールドに落ちてくるタマが少ないと見込める場合はそこの穴はまぁ、大きくても良いですよね。
ここの第三の穴の大きさの大小は何を表しているのでしょうか。
ずばり、監査の大変さ(DetectionRsikを如何に小さくするか)です。
第三の穴が大きくて良いということは、Detection Riskが割と高くて良いということ、それはまぁ、多少ガバガバでも良い、ミスっても良いということです。
逆に穴を小さくするということは、一ミリのミスも許さない!!!Professionalを揃えて、まじで緊張感もってしっかりやる!!と言うことになります。
このカイジの沼篇のあのイメージで捉えると非常にわかりやすいと思います。
実際、このイメージは最初からあったわけではなく、どこかに載っていたわけでもなく、、、
このブログを書きながら思いついたものです。
やっぱり、Outputの機会は大切ですねぇ。
では、今日はここまでとさせて頂きます!
次回、最後のWrap Upを致しましょう!
では!!