ポケモン、ブルゾンちえみ、チューニングから財務指標を考える。
みなさん、こんにちは！藤原育也です。
仕事でも家庭でもバタバタしてしまい、時間が空いてしまいました。
今回は「財務指標」についてお話させて頂きたいと思います。
財務指標というのは、その名の通り財務の指標です。
もう少しわかりやすく言うと、(基本的に、)財務諸表(BS、PL、CFS)を見て計算することが出来る指標のことです。
具体的には、ROE、ROA、売上高営業利益率、売上高税後利益率、自己資本比率、、などなど。書ききれないほどいっぱいあります。
所謂「財務分析」はこの「財務指標」を計算することが始まるということが出来ます。
例えば、A君が上司から「この会社の財務状況を調べてみろ」と言われたら、財務諸表を取り寄せるところまではいいのですが、そこで「売上高100億！税後利益2億です！(えっへん！)」と言ってもそれは財務分析とは言えないのです。
なぜなら、それは財務諸表を見ると数字としてそこに載っている情報に過ぎず、人間の手によって、一歩踏み込んだ「分析」がなされていないからです。
では、分析とは何でしょうか。
このキーワードは今後、かなり頻出するのですが、会計の世界に於ける分析の本質は「比べること」にあると私は考えています。
先ほど挙げた、ROE、ROA、売上高営業利益率、売上高税後利益率、自己資本比率、、等の財務指標の計算式を思い出してみてください。
ROE=Return/Equity、ROA=Return/Asset、売上高営業利益率=営業利益/売上高、売上高税後利益率=税後利益/売上高、自己資本比率=Equity/Assetですよね。
当たり前のことを言いますが、全て分数なのです。分数は小学校で習いますが、本質を考えてみると「割る数と割られる数を比率を以て比べている」という意味ですよね。
つまり、財務諸表上に存在する二つ(乃至それ以上)の数値を比較することで、財務指標が計算できるのです。なので、A君はこう言えばよかったですね。
「売上高100億！税後利益2億です！売上高税後利益率2%です！(よっしゃ！)」と。
でも、実はこれでも全然もの足りないのです。
なぜでしょう？
日常の会話でもプレゼンテーションでも数字は大事と言われますよね。
数字が頭に入っている人はすごいともいわれます。
ただ、数字は比較することで初めて意味を持つものだと私は思います。
もっと掘り下げると、数字を使うということはその数字を以て伝えたいことがあるはずです。
その「伝えたいこと」は比較することでより伝わりやすくなるということです。(比較対象がないと往々にして伝わらない。)
例えば、私の大好きなポケモンの話で恐縮ですが、600族というカテゴライズがあります。
定義としてはHP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さの種族値の合計が600であるポケモンのことです。
これ、強いですか？弱いですか？
わかりますか？
そういうことです。数字は絶対評価出来ないのです。日常でみなさんが何となく共通認識を持っているものでないジャンルに於いては、比較しないとその数値を以て何を伝えたいのか、数字の裏に隠されたメッセージが伝わらないのです。
600族とはご存じの通り、伝説級を除いて、カイリュー、バンギラス、ボーマンダ、メタグロス、ガブリアス、サザンドラ、ヌメルゴン、ジャラランガ、ドラパルトの9体。
結論から言うと600族は強いんです！種族値合計は300-400のポケモンが多く、600以上は伝説級を除くと上記の通り数体しかいません。なので、例えば、種族値合計の平均値や分布図等を用いて、600という数値が議論しているフィールドに於いて、高いのか低いのかを
伝えなければいけないということです。
「Lv.55でバンギラスに進化、やばいよな～」というのも、何がヤバイのかわかりません。
他のポケモンは遅くともLv.30-40台には最終進化系になるのに、バンギラス(だけでなく、カイリュー等の上述600族)は最
終進化のレベルが非常に高いのです。
中にはLv.10で最終進化系になるポケモンもいますよ。バタフリーとかスピアーとか。
なので、Lv.55で～のくだりは「最終進化系になるLv.が高くて大変」という意味です。
ブルゾンちえみの「35億」は比較対象を出していないのに、笑いが起きますよね。
なぜでしょう？
それは私が上の方で話した「日常で何となく共通認識を持っている」からではないでしょうか。
世界の人口が70億人くらいだから、男性の人数は半分の35億、だから、「世界中の国籍問わず全ての男性を対象としてますよ」という笑いですよね。
日本の人口をしらない小学生が35億をきいても、笑えないのです。比較によるインパクトの測定が出来ないから、裏に隠されたメッセージが読み取れないのです。
どの世界にもありますよね。
僕がかじっている音楽の世界で「うわ！447Hzでチューニングしちゃった！！！」と聞いて、大半の人は「？」となります。おそらく、Bad Newsなんだろうなとは予想は付くと思いますが。
これも「普通チューニングは440-442Hzの設定で行う。」という常識、基準を持っている人には「うわ！高くなっちゃってるじゃん！」とメッセージを読み取れるのです。
だいぶ脱線しました笑
数字の持つパワーが整理できたと思うので、次回以降
財務指標の本質に迫っていきます！
