AがEに変わっただけでここまで変わるものか。ZAIMU VS ZEIMU 繰延税金資産 完全理解への道 part.4
前回は休憩がてら書評を挟みましたが、また繰延税金資産完全理解への道ということで、税務会計の根底にある考え方を見ていきましょう。
軽く復習ですが、財務会計は株主を始めとしたステークホルダーを対象に会社の現状をありのままに伝えることが目的でした。
そこでは「保守主義(出来るだけ収益は小さく、費用は大きく)」と「将来の見積もり(経営者によって変わる、恣意性が入る)」が重要なポイントでした。
前提として
が考えをシンプルにするために財務会計と税務会計を比較対象としています。
では、税務会計について深堀してきましょう。
そもそも、税務会計って何のために存在するのでしょうか?
答えはシンプルです。
税務署がその会社からとれる税金を算出する為ですね。
税金はいっぱい稼いだ会社からはいっぱい徴収、赤字になった場合は税金が取られないというイメージで宜しいです。
んで、ここでいう「いっぱい稼いだ」を判断する為の数字は財務会計PLのPBT、即ち税引前利益ではないのです。
いきなり、ビックリさせることを言うようですが、早めにビックリしておいた方が後々楽です。
問題を出します。
例えば税金が30%だったとします。
ある会社の税引き前利益が100億円でした。
法人税、及び税後利益はいくらでしょう?
簡便的に考えるのであれば、税金30億円、税後利益70億円でも正解ですが、
厳密には、少なくとも繰延税金資産を理解するには、「この問題文の条件では算出不可能」が正解となります。
別のアプローチをしましょう。
ある会社のPLで税引き前利益が100億円だったとします。税率は同様に30%だとして、
税引前利益100
▲法人税 27
税後利益 73
と言ったことが起こるわけですね。
え?
100×30%で30億円じゃないの?どうして27億円なの!?
と思うと思います。
それが通常だと思うのです。
なぜなら数年前の私がまさにそうだったからです。
この時はまだ気づいていなかったのです。
税引前利益に税率を掛けて税金は算出できないということを、、、、
そして、一般人には見えない税務会計というものの存在を、、、、
そうなんです。
スーパーマリオ4でスターロードの真ん中からマリオスタッフもびっくりコースをクリアーした後のあの裏面が出てきたときの様に、
ずっと左右の移動しかできなかった数直線の学習に於いて複素数の登場によって上下にも動くことが出来ようになった、あの時の様に、
財務会計だけでは算出できない税金を前に、税務会計という裏面があったことに気づいたのです。
「でも、財務会計もちゃんとルールに則って利益を計算してるんだからいいんじゃないの?」と思いますでしょ
だめなんです。
財務会計に於ける二つのポイント「保守主義」と「将来の見積もり」これがまさにダメなんです。
詳細は次回お話ししますが、
財務会計(ZAIMU)と税務会計(ZEIMU)、AがEになっただけですが、両社の考え方は真逆なんです。
税務会計は「保守主義の逆!」、「見積もり(恣意性)は入れない!」というのがポイントとなります。
面白くなってきました。
次回より、謎を解き明かしていきましょう!
では!