絶対にわかるEBITDAの存在意義。正解のない世界だからこそ、色々ある。
みなさん、こんにちは!
前回まで時間をかけて、EBITの存在意義についてお話致しました。
今回はこの流れでEBITDAをみていきましょう!
まず、英語を読み解きましょう。どうせ頭文字です。
Earnings Before Interest Tax D/Aですね。つまり、EBITは税後利益から始めて、法人税と利息をなかったことにするという考え方でしたが、
EBITDAは法人税と利息に加え、DとAもなかったことにするということっぽいです。
では、DとAの種明かしから。
DはDepreciation、AはAmortizationです。
ディプレシエーション、アモタイゼーションと読みます。
会計の勉強をする前からこの単語を知ってた人はかなりの英単語マニアですね。私は知りませんでした。
意味はどちらも減価償却費です。
ちなみにDepreciationは有形資産の償却、Amortizationは無形資産の償却です。
そう、PLのSGAのところに入ってくるやつですね。
SGAはSales General Administrationで日本語では販売費及び一般管理費という売上総利益と営業利益の間にある費用項目です。
ということなので、税後利益から法人税、利息、減価償却費を無かったものとするという考え方です。
根本にある考え方はEBITと同じで「本当に見極めたい、比較したいポイント以外は条件を揃える、そのために前提条件をぶれる要素を持つものは排除する」と言うことです。
じゃあ、減価償却費ってぶれるんでしょうか?
結論から言うと、めちゃくちゃぶれます。
もし、会計の世界にぶれる勘定ランキングがあったならば、トップを争っているとも思います。
減価償却費自体の話も非常に奥深く楽しいので別途語りたいのですが(笑)、減価償却の方法って一つだけじゃなくて複数あるんですよね。
そして、なんとその中でどの方法を採用するかは一定程度企業が決めていいんです。
100億円の工場を建てた会社が2社(A社、B社)あったとします。
A社は初年度に9億円分償却したけど、B社は15億円分償却したということが良く起こるわけです。
ちなみに、定額法とか定率法とか級数法、生産高比例法とかがあります。定率法の方が序盤にいっぱい償却するので、この場合はA社が定額法、B社が定率法ですかね。
っちゅーことで、減価償却費はブレるんです!
なので、無視しましょうっていう考え方ですね。
あと、もう一つ減価償却費を無視する理由があると思われます。
減価償却費って定額法だと、毎年の償却金額が同額なのでいいのですが、定率法や級数法、生産高比例法だと毎年の償却額がぶれるのです。
他社との比較に於いてブレるんじゃなくて、自社の去年、今年、来年といった時の流れの中でもぶれていくわけです。
すると時系列的に比較するときも微妙ですよね。
「お、去年は営業利益低いけど、今年は上がってるな、、、。市場シェア拡大したのか、、??」
「って減価償却費が軽くなっただけかーい!」ってことが起こってしまうわけですね。
なので、本業の稼ぐ力をシンプルに比較したいときはEBITの時の利息、税金だけでなく、減価償却費も無視して考えるということになります。
会計の世界に正解はありません。
減価償却費も費用収益一致の法則に基づいて費用認識するべきだし、受取/支払い利息もれっきとした収益/費用、Cashも伴っているので、非常に大切です。
税金も実際にCashを持ってかれているんだから、大切な要素です。
ただ、やはり何を知りたいかによってみるべきポイントが変わってくるということですね。
うーん。奥深い。
本当に奥深い。。。。
EBITとEBITDA、かみしめましょう。
次回はEBIT、EBITDAの時にあまりにも無視した特別損益について、日本と米国の会計基準の違いから考察をしていきます。
お楽しみに!!!